保育士の就職先は、保育園だけではありません。
実は、保育士には保育園以外にも、さまざまな職場で活躍することができるんです。
今回は、保育園以外の就職先とその特徴についてご紹介していきます。
保育園以外の就職先
全国には、約40万人の保育士がいますが、実に9割の保育士が保育園に就職しています。
とはいえ、保育士には保育園以外のさまざまな就職先があるんです。
- 児童養護施設
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 児童館
- 児童自立支援施設
- 障害児入所施設
- 放課後等デイサービス
保育園以外の就職先「児童養護施設」
児童養護施設は、両親からの身体的・精神的・心理的虐待などの理由により家庭で生活することが困難になってしまった、2歳〜18歳の子供たちを養育する施設。
保育士には、第二の保護者として子供たちに寄り添い、日々の生活に幸福感や安心感を与えてあげる役割があります。
なぜなら、そうした日々の積み重ねが、社会に対する信頼感や安心感を取り戻すキッカケになるから。
さらに、信頼感や安心感という基盤ができることで、自分自身を大事な存在であると認識できるようにもなっていきます。
児童養護施設での援助の流れ
- 入所への支援:子供たちを丁寧に迎える
- 施設内案内:快適な生活環境を与えてあげる
- 退所への支援:新しい生活に向けた支援を行う
- アフターケア:退所後も第二の保護者として支えていく
保育園以外の就職先「乳児院」
乳児院は、家庭で生活することが困難になってしまった、満1歳に満たない乳児を養育する施設。
家庭で生活できなくなってしまう原因には、以下のものがあります。
- 両親の病気によるもの
- 両親の離婚によるもの
- 両親の虐待や育児放棄によるのも
- 両親の経済的貧困によるもの
乳児院の特徴
乳児が健全に成長するには、乳児の欲求に応え安心感を与えることが欠かせません。
そのため、乳児院では担当養育制という仕組みを導入しています。
担当養育制では、特定の保育士が一人の乳児を担当するため、1日の生活の中でたくさんの愛情を注ぐことができるんです。
このように担当養育制というのは、子供にとって最善の利益をつくりだすための、重要な仕組みといえます。
保育園以外での就職先「母子生活支援施設」
母子生活支援施設は、生活に問題を抱えた母子の保護・支援をする施設。
母子生活支援施設での、保育士の役割は主に2つ。
- 子供たち(病児や病児後含む)の保育や遊びや学習の支援など
- 子育てに不安がある母親に対する相談や支援
このように母子生活支援施設では、子供だけでなく母親に対しての支援が必要になってきます。
保育園以外の就職先「児童館」
児童館は児童厚生施設の一つで、児童に健全な育成の機会を与える目的で設置された施設。
児童館では、以下のような支援が行われています。
- 遊びを通しての育成・指導
- 地域組織活動の育成・助長
- 健康と体力の向上
- 放課後児童の育成・指導
- 年長児童の育成・指導
- 子育て家庭への相談
遊びの重要性
遊びは、自主性や社会性、創造性など子供たちの人格発達を促してくれる、とても重要な要素。
最初は、遊ぶこと自体に喜びを見出しますが、成長とともに他の子供たちと同じ遊びをすることに楽しみを覚えます。
そして最終的には、共通の目的や目標をつくり一つ集団の中で遊ぶことで、自分の役割を持つようになります。
とくに集団遊びでは、考えの違いから友達とケンカするなど、楽しくない場面にも遭遇しますが、それらの経験を通して思いやりの心や友達と仲良くする方法などを学んでいくんです。
保育園以外での就職先「児童自立支援施設」
児童自立支援施設は、生活支援の必要がある子供たちに対して自立の支援をしていく施設。
また、児童自立支援施設では、施設を退所した子供たちのアフターケアも行なっています。
対象となるのは、主に以下の理由がある子供たちです。
- 不良行為を行なっている
- 不良行為を行う恐れがある
- 家庭環境に問題がある
*不良行為:家出・徘徊・窃盗・暴力・家庭内非行・不良交友など
とくに、不良行為の背景には、幼い時期に安心できる環境や大切にされる環境がなかったなどの原因があります。
そのため保育士には、ともに寄り添いともに生活することで、子供たちの基本的信頼感や自己肯定感を育む支援が必要になります。
児童自立支援施設での主な援助
- 生活支援:社会的な自立に向けての支援
- 学科支援:学校教育法にもとづく支援
- 職業支援:職業選択のための支援
- 家庭問題の支援:親子関係の修復に向けた支援
保育園以外での就職先「障害児入所施設」
障害児入所施設は、身体障害・精神障害・被虐待児への生活支援や自立支援をおこなっていく施設。
保育士の役割は日常生活の支援ですが、児童自立支援施設に入所している子供たちは、一つひとつの作業に時間がかかることが多いため、丁寧な支援が必要になります。
また、障害についての、基本的な知識も理解しながら、子供たちを支援することが重要です。
ちなみに障害児入所施設には、医療型と福祉型の2つのタイプがあります。
保育園以外での就職先「放課後等デイサービス」
放課後等デイサービスは、障害児の自立の促進と放課後の憩いの場を提供する施設。
対象となるのは、通学中の障害児で、放課後や長期休暇などに利用します。
保育士は、子供たちが楽しく過ごせる遊びを提供するだけでなく、遊びを通して子供たちに自信をつけてあげたり、豊かな感性を培うように支援していく必要があります。
また、地域の行事に参加する機会を提供し、多くの人と交流できる機会を増やしてあげるという役割もあるんです。
さらに、保護者の相談や指導を通して、保護者の成長を支援していきます。
まとめ
保育士には、保育園以外にもさまざまな就職先があります。
それぞれの施設の特徴を理解し、あなたの目指す保育士像が実現できる施設に就職しましょう。